受験生のためのボランティア入門

大学受験では、推薦入試や総合型選抜(旧AO入試)の割合が増加し、「大学や学部が求める人材であるかどうか」をアピールする力が重要になっています。特に、自分の興味や取り組んできた実績を具体的に示せるかがカギとなります。
とは言え、現代の日本の教育制度の中では、自分で研究テーマをもって、継続的に研究を行う中学生や高校生は少数です。そうすると総合型選抜でしゃべることがなくて、受験直前に、あわてて話題を探すことになりがちです。しかし付け焼刃は面接官や採点者に見抜かれてしまいます。
ここでは総合型入試の正攻法での突破方法についていくつかのケースをご紹介します。総合型入試の凄い例をご紹介したあとに、ちょっと真似できない人向けに「等身大の受験生がちょっとした努力で実行できるボランティア活動の可能性」を解説します。
凄い例:具体的な情熱が評価されたケース
昆虫が好きなAさんのケースを紹介します。
- 背景:中学生時代に昆虫食に興味を持ち、YouTubeで研究を始めました。
- 行動:家族と一緒に昆虫食レストランへ行き、実際に食べる体験も積みました。さらに、志望大学の研究室を調査し、昆虫食を研究している教授にメールでアプローチ。
- 成果:研究室訪問を経て、「推薦入試で受験しませんか?」というオファーを受け、合格。
ポイント:この例では「やりたいことが明確」であり、その熱意を具体的な行動で示したことが評価されました。
アドバイス:興味のある分野を持っているなら、高校時代から研究室訪問や専門家へのアプローチを検討しましょう。
できる例:ボランティア活動で実績を作る
「自分のやりたいことがまだ明確でない」という場合には、まず関連するボランティア活動に取り組んでみましょう。
- なぜボランティアか?
- バイト禁止の学校でも、ボランティアなら許可される場合が多い。
- ボランティア証明書が推薦入試の際に「活動実績」として活用できる。
- 小論文や面接でのエピソードに具体性が加わり、説得力が増す。
- 具体例
例えば、環境問題に興味があるなら、ゴミ拾い活動からスタート。ただし、単純なゴミ拾いにとどまらず、そのゴミがどのようにリサイクルされるかを調べたり、リサイクル素材が使われる現場(例:3Dプリンタのフィラメント製造)を見学することで、解像度の高い話ができるようになります。
ポイント:ただ参加するだけでなく、「なぜその活動を選んだのか」「その活動で何を感じたか」を意識すると、面接や小論文で大きな武器になります。
ダメな例:やみくもな活動
- ケース:目的もなくボランティアに参加し、ただ時間を過ごすだけで終わる。
- 問題点:
- 活動が志望分野と関係ないため、受験時にアピールできない。
- 自分の興味や問題意識を深めるきっかけにならない。
- 改善策:自分の興味に近い分野の活動を選ぶこと。
まとめ:ボランティアの価値を最大化するには
ボランティア活動は、単なる善行ではなく、自分の興味や将来の目標を見つけ、深めるための重要な手段です。
- メリット
- 実績が推薦の武器になる。
- 解像度の高い小論文・面接内容を作れる。
- 自分の興味や適性を具体的に把握できる。
- 始め方
- 自分の興味を整理する。
- その興味に関連するボランティアを探す。
- 活動後に振り返り、感じたことや学びを記録する。
推薦や総合型入試で問われるのは、「どんな経験をしてきたか」と「それが自分にどう影響を与えたか」です。ボランティア活動をうまく活用し、自分だけのエピソードを作り上げましょう。

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