神戸市のSIB詳細

神戸市が実施したソーシャルインパクトボンド(SIB)は、日本で初めての本格的なSIBとして2017年に開始されました。このプロジェクトの詳細は以下の通りです:
プロジェクトの概要
- 名称: 神戸市生活保護受給者自立支援事業
- 開始時期: 2017年
- 対象: 生活保護受給者(特に就労支援が必要な若年層)
- 目的: 生活保護受給者の就労支援を通じて、経済的自立を促進し、生活保護からの脱却を目指す。
仕組み
- 投資家からの資金調達:
- 投資家や社会貢献を志向する企業から資金を集めました。この場合、NTTデータや大和証券グループなどが投資家として参加。
- サービス提供者:
- NPO法人「自立生活センター・神戸」(ILCK)がサービス提供者として、就労支援プログラムを実施。具体的には、就労準備訓練、就職活動支援、就職後の定着支援など。
- 成果の評価:
- プロジェクトの成功は「就労率」の向上で評価されました。具体的には、一定期間内に就労できた受給者の数が基準を上回ったかどうか。
- 報酬の支払い:
- 予め設定した就労率の目標を達成した場合、神戸市から投資家に成功報酬が支払われます。目標を上回る成果を挙げた場合、報酬は増加しますが、目標未達成の場合は投資家はリターンを得られません。
具体的な成果
- 目標達成: 計画期間の終了時点で、設定された就労率の目標を達成し、投資家に成功報酬が支払われました。この結果、投資家は経済的リターンを得ると同時に、社会的な成果も実現できました。
プロジェクトの影響
- 社会的なインパクト: 生活保護受給者の就労支援により、個々の生活向上だけでなく、社会的なコスト削減(生活保護費用など)にもつながりました。
- イノベーション: 公的資金だけでは難しい新しいアプローチを試みることで、支援方法のイノベーションが促進されました。
- 官民連携のモデル: SIBを通じて、公的機関と民間企業・NPOの連携の可能性を示す事例となりました。
評価と課題
- 評価: このSIBは、就労支援における新しい手法として評価され、他の自治体や国でも参考にされました。
- 課題: 成果の測定や評価方法の確立、投資家のリスク管理、プロジェクトの持続可能性など、今後のSIB導入に参考となる教訓も多くありました。
神戸市のSIBは、社会的課題解決のための新しいファイナンス手法として注目され、成功事例として広く知られるようになりました。
ILCKの活動
再犯防止SIB
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